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流通・契約 卸価格マージン

卸価格とマージンの設計

誰がどれだけ取るのか。小売価格から逆算して、各段階のマージンを設計する手順を示します。

No. 096/2026.09.12/4 min read

卸価格の交渉は、数字の押し付け合いになりがちです。しかし小売価格から逆算する共通の枠組みを持てば、双方が納得できる設計が可能になります。

価格の階層を可視化する

まず、価格がどの段階でどれだけ乗るかを整理します。

  1. 自社の出荷価格(FOB/EXW)
  2. + 輸送費・保険
  3. + 関税・輸入諸税
  4. = 輸入者の仕入原価
  5. + 輸入者・代理店のマージン
  6. = 小売への卸価格
  7. + 小売マージン
  8. = 店頭価格

この階層を相手と共有することが交渉の出発点です。どこが不透明なままだと、条件の妥当性を議論できません。

マージンが厚くなる条件

代理店のマージンは、負担するリスクと業務量に比例します。

要素マージンへの影響
在庫を持つ厚くなる(在庫リスクの対価)
販促を負担する厚くなる(投資の回収が必要)
登録を代行する厚くなる(費用と手間の対価)
配荷を自社で行う厚くなる(営業コスト)
二次卸を経由する厚くなる(段階が増える)
前払いで買い取る厚くなる(資金負担)
マージンの意味「マージンが厚い」ことは、必ずしも不利ではありません。相手が在庫と販促を負担しているなら、自社の負担は軽い。逆にマージンを削ると、相手は何もしなくなります。

マージンを削るのではなく、役割を変える

価格が合わないとき、マージンを削るのは悪手です。代わりに役割を変えることを検討してください。

  • 販促費を自社が持つ:その分、代理店マージンの引き下げを求める
  • 在庫リスクを自社が持つ:委託販売にして、マージンを下げる
  • 二次卸を飛ばす:直接小売と取引する構造にする
  • 物流を自社が手配する:現地倉庫まで自社で運ぶ

マージンは役割の対価です。役割を変えずに金額だけ下げると、必ず実行が伴わなくなります。

価格表を作る

複数市場に展開すると、価格の整合が保てなくなります。市場ごとにゼロから交渉するのではなく、共通の算式から導出するべきです。

  1. 基準となる出荷価格を決める
  2. 市場ごとの関税率と輸送費を反映する
  3. 想定する代理店マージンの幅を決める(範囲で持つ)
  4. 想定小売価格を算出し、現地の競合価格と比較する
  5. 成立しない市場は、仕様変更かチャネル変更で調整する

この表があると、新しい市場の交渉が格段に速くなります。相場観を持った状態で臨めるためです。

価格を守ることの重要性

交渉の中で最も守るべきは、出荷価格の下限です。

一度下げた価格は戻せません。しかも他市場の代理店に知られると、同じ条件を要求されます。市場ごとに価格が違うこと自体は珍しくありませんが、合理的な理由(数量、条件、通貨)で説明できる差である必要があります。

説明できない値引きは、必ず後で問題になります。

本記事は Tempura OS の実務知見をもとに構成しています。記載の進め方は一般的な例です。製品カテゴリや出荷形態によって、最適な手順は変わります。

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