代理店が動かない。市場が止まっている。切り替えたいが、どう進めればよいか分からない。切り替えには順序があり、間違えると市場が長期間止まります。
切り替える前に確認すること
感情的に決める前に、次を確認してください。
- 契約の解除条件:どういう場合に解除できるか。通知期間は
- 独占の残存期間:独占が残っていると、次の相手と組めない
- 製品登録の名義:相手名義なら、切り替えで登録を失う
- 商標の状況:相手が現地で商標を持っていないか
- 在庫の状況:相手が持っている在庫をどうするか
- 次の候補:切り替え先が確保できているか
切り替えの順序
順序を間違えると、空白期間が長くなります。
- 次の候補を確保する(切る前に、必ず次を決める)
- 登録の移管可否を確認する(新代理店または第三者に移せるか)
- 契約の解除手続きを確認する(通知期間、必要な形式)
- 在庫の処理方針を決める(買い戻し、販売継続、値引き処分)
- 解除を通知する
- 移行期間を設ける(在庫消化、登録移管、顧客への周知)
- 新体制に移行する
1番目を飛ばして先に切るのは最悪です。次が決まらないまま市場が空白になり、競合に棚を取られます。
登録の移管
登録が相手名義の場合、移管できるかどうかが最大の論点です。
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| 契約に移管条項がある | 条項に基づき移管を求める。相手の協力が前提 |
| 移管条項がない | 交渉するしかない。応じない可能性が高い |
| 制度上、移管できない | 新名義で取り直す。数か月〜1年かかる |
| 第三者名義にしていた | 影響なし。そのまま新代理店に切り替えられる |
この経験が、次の契約の設計に活きます。移管条項の重要性は、一度失ってみないと実感しにくいものです。
在庫と関係の処理
在庫の扱いは、金額より市場への影響で判断すべきです。
- 買い戻す:市場に値崩れした商品が残らない。費用がかかる
- 販売を継続させる:費用はかからないが、投げ売りされるリスク
- 期限を切って消化させる:現実的な折衷案
投げ売りされると、新代理店が入ったときの価格が壊れています。多少の費用がかかっても、価格を守る判断が長期的には有利なことが多い。
関係を壊さずに終える
切り替えの最後の論点は、相手との関係です。
- 感情的な非難は避ける(業界は狭く、評判が伝わる)
- 解除の理由を、数字ベースで説明する
- 移管や在庫処理への協力を、条件と引き換えに得る
- 将来の可能性を残す(他市場、他製品での協業)
相手の協力なしには、切り替えは完了しません。登録の移管も、在庫の処理も、顧客への引き継ぎも、すべて相手の協力が必要です。関係を壊した状態では、これらが得られません。
切るときこそ、丁寧に。協力が必要なのは、切る側だからです。