販売店契約でトラブルになる箇所は、だいたい決まっています。専門家に相談する前に、論点を整理しておくことで、相談の時間も費用も減らせます。この記事はその準備のためのリストです。
最優先で確認する5項目
- 独占の有無と範囲:国/地域/チャネル/カテゴリ。期間と更新条件
- 最低購入量:年間数量、未達時の措置(独占解除か違約金か)
- 製品登録の名義:誰の名義で取得し、契約終了時にどうなるか
- 商標の扱い:現地での商標出願を誰が行うか。相手による出願の禁止
- 契約期間と解除:期間、自動更新の有無、解除事由、通知期間
将来効いてくる条項3番目と4番目は、契約終了後に効いてくる項目です。契約中は問題にならないため軽視されますが、関係が終わるときに最大の問題になります。
事業条件に関する項目
- 価格:卸価格、改定の条件と手続き、通貨
- 支払条件:前払/後払、サイト、遅延時の措置
- 発注と納期:発注のリードタイム、納期の定義、遅延時の扱い
- 販促:費用の分担、実施義務の有無、報告の方法
- 再販価格:小売価格への関与の可否(法域により制約がある)
- 報告義務:販売数、在庫数、配荷店舗の報告頻度と形式
報告義務は必ず入れてください。後から要求すると疑っていると受け取られますが、契約時なら自然に入ります。
品質・責任に関する項目
- 製品保証の範囲:品質問題が起きた場合の責任分担
- 返品・交換:条件、費用負担、期限
- リコール:発生時の手順、費用分担、連絡体制
- 保管条件:温度、湿度、直射日光。相手の管理義務
- 賞味期限・使用期限:入荷時の残存期間の要求、期限切れ在庫の扱い
- 知的財産:商標、意匠、コンテンツの使用範囲
保管条件は見落とされがちですが重要です。高温多湿の市場で不適切に保管され、品質問題が起きたときの責任を明確にしておく必要があります。
終了時に関する項目
契約終了時の取り決めが、最もトラブルになります。
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 在庫の扱い | 買い戻すか、販売を継続させるか、期限を切るか |
| 製品登録 | 移管するか、失効させるか。協力義務があるか |
| 商標 | 相手名義の出願があれば、移転させる義務 |
| 顧客情報 | 取引先リストの引き渡し |
| 競業避止 | 終了後、類似品を扱うことの制限(期間と範囲) |
| 未払金 | 精算の方法と期限 |
準拠法と紛争解決
最後に、揉めたときの枠組みです。
- 準拠法:どの国の法律に基づくか
- 紛争解決:裁判か仲裁か。場所はどこか
- 言語:契約書の正文はどの言語か
正文の言語は必ず確認してください。英語と現地語で作成し、現地語を正文とする契約では、翻訳の相違があった場合に不利になる可能性があります。
契約書は、うまくいっている間は読まれません。読まれるのは、関係が壊れたときです。