お問い合わせ 資料ダウンロード
流通・契約 MOQ需要予測

最低発注量と需要予測のすり合わせ

数量が読めない中で、どう最低発注量を決めるか。メーカーと代理店で利害が対立するこの条件の決め方を示します。

No. 093/2026.09.05/4 min read

最低発注量(MOQ)は、メーカーと代理店で利害が真っ向から対立する条件です。メーカーは高く設定したく、代理店は低く抑えたい。この対立を条件設計でどう解くかを見ます。

なぜ対立するのか

立場主張理由
メーカー最低発注量を高く設定したい生産ロット、在庫リスク、独占の対価
代理店低く抑えたい、または設定したくない在庫リスクを負いたくない。売れるか不明

どちらの主張も正当です。どちらが在庫リスクを負うかという問題であり、それは価格に反映されるべきものです。

2種類の最低発注量

最低発注量には性質の違う2種類があります。混同しないことが重要です。

  • 1回あたりの最低発注量:生産と輸送の効率から決まる。物理的な制約
  • 年間の最低購入量:独占権の対価として設定する。契約上の制約
設計の要点独占権とセットにすべきは後者です。1回あたりの数量を高くしても、年に1回しか発注しなければ意味がありません。年間で縛るのが正しい設計です。

数量が読めないときの設計

初年度は誰にも数量が読めません。その前提で設計する方法があります。

  1. 初年度は低く、2年目以降を段階的に上げる:立ち上げの負担を軽くする
  2. 初回発注のみ数量を定め、以降は実績連動にする:柔軟性を残す
  3. 未達時の措置を「独占解除」にする:違約金より現実的。相手も受け入れやすい
  4. 四半期ごとに見直す条項を入れる:状況変化に対応できる

3番目が最も実務的です。違約金は請求が難しく、関係も壊れます。独占解除であれば、自然な形で選択肢を取り戻せます。

需要予測をすり合わせる

数量を決める前に、根拠をすり合わせるべきです。

  • 想定する配荷店舗数と、1店舗あたりの月間販売数
  • ECでの想定販売数
  • 初回の店頭在庫(配荷時に必要な数量)
  • 安全在庫の水準
  • 発注から入荷までのリードタイム

この計算を相手と一緒に行うことが重要です。数字の押し付け合いではなく、共通の前提から導出すれば、双方が納得しやすい。

在庫リスクを価格に反映する

最終的に、最低発注量と価格はセットで交渉すべきです。

条件価格の考え方
最低発注量が高い相手が在庫リスクを負う。卸価格を下げる余地がある
最低発注量が低い自社が在庫リスクを負う。卸価格を維持する
独占あり数量条件を強める。または価格で調整する
非独占数量条件は緩めてよい。他社も入れられる

数量と価格と独占の3つを、セットで設計する。個別に交渉すると、相手に有利な組み合わせだけを取られます。

本記事は Tempura OS の実務知見をもとに構成しています。記載の進め方は一般的な例です。製品カテゴリや出荷形態によって、最適な手順は変わります。

MOQ需要予測在庫
海外展開の進め方を3つの資料にまとめました。

参入準備・参入直前・参入後。フェーズごとに、実務の流れと Tempura OS の担当範囲が分かります。

Related

あわせて読みたい

記事一覧へ戻る