現地の代理店探しは、展示会か紹介で決まることがほとんどです。それ自体は悪くありませんが、比較対象がない状態で決めているという自覚は必要です。体系的に候補を洗い出す手順を示します。
候補の探し方 — 5つの経路
| 経路 | 方法 | 特徴 |
|---|---|---|
| 棚から逆引き | 現地の小売店・ECで、同カテゴリの輸入品を扱う業者を特定する | 実際に配荷力がある業者が見つかる |
| 競合から逆引き | 競合ブランドの現地代理店を調べる | 同じ棚に強い相手が分かる |
| 展示会 | 国際見本市、現地の業界展示会 | 接触は容易。比較が難しい |
| 公的機関 | 商談会、ミッション、紹介制度 | 一定の与信フィルターがある |
| 既存の取引先経由 | 国内取引先、物流業者、同業他社からの紹介 | 信頼はあるが選択肢が狭い |
規模ではなく、噛み合わせで選ぶ
大手ほど良いとは限りません。むしろ規模が合わないほうが問題になります。
- 大きすぎる:自社製品の優先度が低くなり、扱われるだけで動かない
- 小さすぎる:配荷力が足りず、在庫を持つ資金力もない
- カテゴリが違う:既存の取引先網に、自社製品を置く棚がない
- 価格帯が違う:扱っているブランドの価格帯と自社が乖離している
自社が相手のポートフォリオの中で、どの位置になるかを考えるべきです。既存取引ブランドの中で目立たない位置なら、注力されません。
最初の接触で確認すること
初回の接触では、条件交渉に入る前に次を確認します。
- 取り扱いカテゴリと、既存の取引ブランド
- 配荷しているチャネルと、主要な取引先小売
- 製品登録の代行経験(同カテゴリで何件か)
- 自社製品に興味を持った理由
- 想定する取り扱いの規模感と、開始時期
3番目の登録経験は必ず聞いてください。市場によっては、この能力が参入スピードを直接決めます。
相手からの熱量を測る
初回接触の段階で、相手の本気度は測れます。
- 返信が速い:優先度が高い
- 具体的な質問が来る:実際に検討している(成分、価格、ロット、独占)
- サンプルを求める:社内で議論する意思がある
- 既存取引先の名前を出す:どこに置けるかを考えている
逆に、返信が遅く、質問が一般的で、条件だけを聞いてくる相手は、比較のための情報収集をしているだけの可能性があります。
候補は3社確保する
最終的に1社と組むとしても、3社と並行して話を進めるべきです。
- 条件の相場が分かる(1社だけでは妥当性が判断できない)
- 交渉力が生まれる(他に選択肢があることが、条件に影響する)
- 1社が離脱しても止まらない
- 断った相手が、将来の選択肢として残る
候補が1社しかない交渉は、交渉ではありません。相手の提示を受け入れるかどうかの二択になります。