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市場ガイド 市場選定意思決定

最初の1市場をどう選ぶか — 4軸で決める

13市場から1つを選ぶ。需要・競合・規制・コストの4軸のうち、規制とコストで候補を絞り、需要と競合で順位をつける手順を示します。

No. 049/2026.05.26/4 min read

最初の市場が決まらないまま数か月が過ぎる。海外展開で最も頻繁に起きる停滞です。原因は情報不足ではなく決め方が決まっていないこと。この記事では、4軸で機械的に絞る手順を示します。

4軸を、2段階で使う

需要・競合・規制・コストの4軸は、同時に見るのではなく2段階に分けて使います。

  1. 第1段階(足切り):規制とコストで、出せない市場・価格が成立しない市場を落とす
  2. 第2段階(選択):残った市場を、需要と競合で評価して順位をつける

この順序が重要です。需要から入ると、魅力的だが出せない市場に時間を使います。まず出せる市場を確定させてから、その中で選ぶ。

第1段階 — 規制で落とす

全成分表を用意し、13市場それぞれで「そのまま出せる/要対応/不可」を判定します。判定の結果、次のように分かれます。

  • そのまま出せる:候補として残す
  • 軽い要対応(表示変更、書類追加):候補として残す
  • 重い要対応(処方変更):初回の候補からは外す
  • 不可:候補から外す
1市場目の鉄則「重い要対応」を最初の市場に選ぶのは避けるべきです。処方変更には半年以上かかり、その間に社内の熱が冷めます。1市場目は、最短で出せる市場を選ぶのが原則です。

第1段階 — コストで落とす

残った市場について、現地小売価格から逆算します。

  1. 現地の競合が並ぶ棚の価格帯を確認する
  2. 小売マージン、代理店マージンを引く
  3. 関税・輸送費を引く
  4. 残った金額が、自社の卸価格として成立するかを見る

成立しない市場は、この時点で落とします。価格が合わない市場に、営業努力で参入することはできません。

第2段階 — 需要と競合で順位をつける

残った市場を、次の観点で比較します。

観点見るもの
需要の実在そのカテゴリが実際に買われているか。日本製への支持があるか
自社の位置想定価格帯に競合が何社いるか。自社が入る隙間があるか
訴求の通用度国内で効いている訴求が、現地でも意味を持つか
パートナーの層候補になる代理店・小売が複数存在するか
検証の速さ出してから反応が見えるまでの期間

最後の「検証の速さ」は軽視されがちですが、1市場目では最重要です。早く結果が見える市場を選ぶことで、2市場目の判断が速くなります。

決められないときの判断

2〜3市場が横並びで残ったとき、迷い続けるのが最悪です。次の基準で決めてください。

  • すでに接点がある市場(訪日客の多い国、問い合わせが来た国、知人がいる国)を選ぶ
  • 距離が近く、担当者が実際に行ける市場を選ぶ
  • 書類の型が他市場に流用しやすい市場を選ぶ
  • それでも決まらなければ、規制が最も軽い市場を選ぶ

1市場目の目的は成功ではなく型を作ることです。完璧な選択より、早く回すことのほうが価値があります。

本記事は各市場の実務の流れをまとめたものです。規制・登録要件は改定されることがあります。実際の申請にあたっては、各国当局の一次情報と現地の登録代行者の確認を必ず取ってください。数値・期間は一般的な目安です。製品カテゴリや申請内容によって変わります。

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