Tempura OS が対応する13市場は、性格の異なる2つの地域に分かれます。アジア7市場(台湾・香港・シンガポール・マレーシア・タイ・インドネシア・ベトナム)と、GCC6カ国(UAE・サウジアラビア・カタール・クウェート・バーレーン・オマーン)。どちらを先に選ぶかで、必要な準備がまったく変わります。
構造の違いを、まず押さえる
| 項目 | アジア7市場 | GCC6カ国 |
|---|---|---|
| 物流 | 近い。海上輸送で短期間 | 遠い。海上輸送に相応の日数 |
| 制度 | 国ごとに大きく異なる | 6カ国で近く、書類を流用しやすい |
| 言語 | 国ごとに異なる(繁体字、タイ語、ベトナム語ほか) | アラビア語で共通(英語も通用) |
| 日本への理解 | 高い。日本製への需要が定着している | 中程度。品質評価は高いが認知は限定的 |
| 宗教的要件 | 国により(マレーシア・インドネシアでハラール) | 全域でハラールが論点になる |
| 競合 | 韓国・現地ブランドとの競争が激しい | 欧米ブランドが上位、価格帯の隙間がある |
アジアが向くケース
- 賞味期限が短い、または温度管理が必要な製品(物流距離が効く)
- 日本での売れ方をそのまま持ち込みたい(訴求の作り直しが少ない)
- 早く結果を見て、判断を回したい(反応が速い)
- 担当者が現地に足を運ぶ必要がある(距離と時差)
- まだ社内に海外展開のノウハウがない(学習コストが低い)
1市場目としてはアジアのほうが合理的なケースが多い。学習効率が高く、失敗しても回収が早い。
GCCが向くケース
- 中〜高価格帯の製品で、価格勝負を避けたい
- 常温流通が可能で、賞味期限に余裕がある
- 複数市場に横展開したい(書類を流用しやすい)
- アジアですでに競合が飽和しており、隙間がない
- ハラール対応がすでに済んでいる、または対応可能
準備の重さが違う
GCCはハラール対応が論点になるため、準備の初期投資が重くなります。原料の由来確認、工場の対応、認証取得。これらに数か月を要します。
アジアは国ごとの手続きが必要ですが、1国あたりの準備は相対的に軽い。ただし7カ国に展開しようとすると、7回分の準備が必要です。
- 1市場だけ出す:アジアのほうが速い
- 3市場以上に展開する:GCCのほうが効率的な場合がある
現実的な進め方
多くの日本ブランドが取っている順序は次の通りです。
- アジアの近い市場(台湾、香港、シンガポール)で型を作る
- 書類と実績が揃った段階で、東南アジア(タイ、マレーシア、ベトナム)に広げる
- ハラール対応が必要になった時点で、マレーシア・インドネシアで経験を積む
- その経験を持ってGCC(UAE起点)に入る
この順序の利点は、ハラール対応をマレーシアで学べることです。GCCに入る前に、比較的取り組みやすい市場で経験を積める。