海外展開の計画で見落とされやすいのが、商戦期からの逆算です。同じ製品を同じ市場に出しても、投入時期によって初年度の結果は大きく変わります。しかも登録リードタイムがあるため、逆算は数か月〜1年前から始める必要があります。
13市場の主な商戦期
| 商戦期 | 対象市場 | 特徴 |
|---|---|---|
| 旧正月 | 台湾、香港、シンガポール、マレーシア、ベトナム | 贈答需要が大きい。最大の商戦期 |
| ラマダン・イード | GCC全域、マレーシア、インドネシア | 消費が大きく動く。準備は数か月前から |
| 年末商戦 | 全市場 | EC主導。プラットフォームのセールと連動 |
| ECの大型セール | アジア全域 | 日付が決まっており、参加の可否が売上を左右する |
| 夏季・観光シーズン | GCC、東南アジア | 市場により時期が異なる |
逆算の手順
狙う商戦期が決まったら、そこから逆算します。
- 商戦期:狙う時期を決める
- 店頭配荷:商戦期の1〜2か月前には棚に並んでいる必要がある
- 初回出荷:配荷の1〜2か月前(海上輸送と通関の日数)
- 発注:出荷の1〜2か月前(生産リードタイム)
- 登録完了:発注の前に完了している必要がある
- 登録申請:登録完了の数か月前(市場により大きく異なる)
- 書類準備:申請の1〜3か月前
合計すると、商戦期の1年前には書類準備を始めている必要がある市場が多い。この事実が、計画の出発点になります。
商戦期を外した場合の影響
商戦期を外して投入すると、次の問題が起きます。
- 初動の売上が作れず、代理店の熱量が下がる
- 棚が取れない(商戦期に向けて棚割りが決まっているため)
- 次の商戦期まで在庫を抱える
- 初年度の実績が悪く、2年目の交渉が不利になる
初動の数字が、その後の全部を決めます。代理店にとっても小売にとっても、最初の数字が判断材料になるためです。
間に合わない場合の判断
逆算した結果、商戦期に間に合わないと分かることがあります。その場合の選択肢は3つです。
- 次の商戦期を狙う:最も安全。準備の質を上げられる
- 商戦期外に投入する:テスト販売と割り切る。少量で始める
- 手続きが軽い市場を先に狙う:登録不要の市場なら間に合う可能性がある
最悪なのは、間に合わせようとして準備を雑にすることです。書類の不備で差し戻され、結局さらに遅れます。
ECセールへの参加
ECモールの大型セールは日付が決まっており、参加には事前のエントリーと在庫の確保が必要です。
- エントリー期限が数か月前に設定されている
- 一定の在庫を現地に置く必要がある場合がある
- 値引き率の条件が定められている
- 参加できないと、その期間の露出が大きく下がる
ECを主力チャネルにするなら、セールの日程が計画の基準になります。代理店やモール運営者に、年間の日程を確認しておいてください。