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市場ガイド 横展開市場選定

2市場目と3市場目をどう決めるか

1市場目の結果をどう読み、次をどう選ぶか。外部の市場調査より、自社の実データのほうが精度が高い理由を説明します。

No. 065/2026.07.02/4 min read

1市場目に参入した後、次をどう決めるか。ここで多くの企業がまた市場調査から始めますが、その必要はありません。最も精度の高い材料は、1市場目で得た自社の実データです。

1市場目から取れる情報

1市場目で売れた(または売れなかった)という結果には、次の情報が含まれています。

  • 誰が買ったか:年齢、性別、購買力、ライフスタイル
  • なぜ買ったか:レビューと問い合わせから読み取れる購買理由
  • どこで買ったか:機能したチャネル
  • いくらで買ったか:受容された価格帯
  • 何が不満だったか:改善すべき点

これらは市場調査レポートでは絶対に得られない一次情報です。次の市場選定は、ここから始めるべきです。

「なぜ売れたか」で次が決まる

購買理由が何だったかによって、次に狙うべき市場が変わります。

1市場目での購買理由次に狙うべき市場の性格
日本製という信頼日本製への評価が高い市場(台湾、香港、タイ)
特定の成分・機能その悩みやニーズが存在する市場(気候・生活習慣で選ぶ)
価格の手頃さ同じ価格帯が成立する購買力の市場
ブランドの世界観感度の高い都市部を持つ市場
贈答用途贈答文化がある市場(GCC、中華圏)
横展開の原則購買理由を特定せずに次の市場を選ぶと、まったく違う理由が必要な市場を選んでしまいます。1市場目の成功要因の分析が、横展開の起点です。

書類の流用効率も判断材料

次の市場を選ぶとき、需要だけでなく準備コストも見るべきです。

  • GCC内での横展開:書類の流用効率が最も高い
  • 東南アジア内:一部流用できるが、国ごとの手続きが必要
  • 中華圏(台湾・香港):制度は異なるが、言語と嗜好が近い
  • アジアからGCCへ:ハラール対応という新たな準備が必要

同じ需要が見込めるなら、準備コストが低い市場を先に選ぶのが合理的です。

同時展開すべきか、順番に行くべきか

2市場目以降、複数市場に同時展開する誘惑があります。判断基準は担当者のリソースです。

  • 順番に行くべき場合:担当者が兼務/初めての横展開/製品ラインが多い
  • 同時に行ける場合:専任担当がいる/書類がすでに揃っている/同一パートナーが複数国をカバーする

実務上、3市場を超えると管理が急に難しくなります。製品数×市場数の組み合わせで、登録の更新期限、規制改定、在庫、価格の管理対象が増えるためです。

撤退も横展開の一部

次の市場に進むとき、既存市場をどうするかも判断すべきです。

1市場目が伸びていないなら、リソースを次に振り向けるべきかもしれません。すべての市場を維持し続ける必要はありません。撤退の判断基準については、別の記事で扱います。

本記事は各市場の実務の流れをまとめたものです。規制・登録要件は改定されることがあります。実際の申請にあたっては、各国当局の一次情報と現地の登録代行者の確認を必ず取ってください。数値・期間は一般的な目安です。製品カテゴリや申請内容によって変わります。

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