製品登録が完了しても、それだけで出荷できるとは限りません。出荷ごとに必要な通関書類があり、ここで止まると倉庫料と遅延が積み上がります。登録とは別の実務として理解が必要です。
登録書類と通関書類は別物
| 製品登録の書類 | 通関書類 | |
|---|---|---|
| 頻度 | 製品ごとに1回(+更新) | 出荷ごとに毎回 |
| 目的 | 製品の適法性を証明する | 取引の内容を申告する |
| 作る人 | 主に日本側とパートナー | 主に輸出者と乙仲 |
| 止まる影響 | 販売開始が遅れる | 荷物が港で止まる。保管料が発生する |
登録は一度きりなので注意が向きますが、通関書類は毎回発生します。ミスの累積コストは、実は通関側のほうが大きいことがあります。
基本の書類一式
- インボイス:取引内容、数量、単価、金額。記載ミスが最も多い
- パッキングリスト:梱包内容、重量、容積
- 船荷証券/航空運送状:運送業者が発行する
- 原産地証明書:関税率に影響する。EPA活用時は特に重要
- 各種証明書:品目により、検査証明、衛生証明などが必要
止まりやすい3か所
| 止まる箇所 | 原因 | 予防 |
|---|---|---|
| インボイスの記載 | 品名・HSコードが登録内容と一致しない | 登録製品名とインボイス品名を統一する |
| HSコードの解釈 | 日本側と現地側で分類が異なる | 事前に現地側とコードをすり合わせる |
| ラベルの不備 | 現地語表示が不完全、貼付位置が不適切 | 初回出荷前にサンプルで確認する |
とくに初回出荷は問題が出やすい。少量の先行出荷で通関を通してみるという進め方は、リスク管理として有効です。
HSコードは、最初に確定させる
HSコード(品目分類番号)は、関税率を決めるだけでなく、輸入規制の対象になるかどうかも決めます。同じ製品でも、コードの解釈が違えば扱いが変わります。
- 日本側の輸出申告と、現地側の輸入申告でコードが揃っているか
- そのコードで、追加の許可や証明が必要にならないか
- 関税率がいくらになるか(価格計算の前提になる)
- EPA適用時の税率と、必要な原産地証明の形式
価格設計の段階でHSコードを確定させるべきです。後から関税率が想定と違うと分かると、価格が成立しなくなります。
誰が何を担当するか決めておく
通関実務は、輸出者・乙仲・輸入者・現地の通関業者が分担します。役割が曖昧だと、書類が誰の手元でも作られないまま出荷日が来ます。
- インボイス・パッキングリストの作成:誰が、いつまでに
- 原産地証明の申請:誰が、どのタイミングで
- 現地でのラベル貼付:どこで、誰が
- 通関申告:現地の誰が担当するか
- 問題発生時の連絡ルート:誰に、どう連絡するか
初回出荷前にこれを文書で確認しておくと、実際のトラブルが大幅に減ります。