台湾は日本ブランドにとって最も入りやすい市場ですが、規制が緩いわけではありません。むしろ制度が整備されているぶん、要件が明確に定められています。「近いから簡単」という前提が、最も多い失敗の入り口です。
製品の区分を最初に確定する
台湾では化粧品が区分され、区分によって手続きが変わります。一般的な化粧品と、特定の成分や効能を持つ製品では、必要な対応が異なります。
- 一般的な化粧品:所定の手続きを経て販売できる
- 特定成分を含む製品(日焼け止め、美白、染毛など):追加の要件が課される
- 効能を訴求する製品:区分が変わり、より重い手続きになる場合がある
事業者登録と製品の手続き
台湾でも、輸入・販売を行う現地事業者の登録が前提になります。そのうえで製品ごとの手続きを行います。
- 現地の輸入者・販売者を決める
- 事業者としての登録状況を確認する
- 製品の区分を確定する
- 成分の適合性を確認する(禁止成分、制限成分、上限値)
- 所定の手続きを行い、製品情報を登録する
- 製品情報ファイルを整備し、保管する
製品情報ファイル(安全性を裏づける資料一式)の整備は、後から求められる可能性があるため、販売開始前に揃えておくのが安全です。
成分で引っかかりやすい点
- 紫外線吸収剤:使用可能な種類と配合上限が日本と異なる場合がある
- 防腐剤:配合上限の差
- 美白関連成分:区分が変わる可能性がある
- 染毛剤成分:使用可能な成分が限定されている
- 特定の植物エキス:使用可否の確認が必要な場合がある
日本で長く販売している製品ほど、古い処方のまま出そうとして引っかかることがあります。現行処方の全成分を、あらためて突き合わせる作業が必要です。
表示要件 — 繁体字での記載
台湾市場向けの製品には、繁体字中国語での表示が必要です。日本語のパッケージに翻訳シールを貼る対応が一般的ですが、記載すべき項目は決まっています。
- 製品名
- 全成分
- 内容量
- 製造者・輸入者の名称と所在地
- 製造番号またはロット番号
- 使用期限または製造年月日
- 使用方法と使用上の注意
簡体字ではなく繁体字である点、中国大陸向けの表記をそのまま使えない点に注意してください。用語も市場ごとに異なります。
効能表現の規制
台湾では、化粧品の広告・表示における効能表現が規制されています。日本国内で使っている表現がそのまま使えるとは限りません。
実務上のポイントは、パッケージだけでなく、ECの商品ページ、SNS、広告のすべてが対象になることです。パッケージだけを確認して、商品ページの文言を放置していると問題になります。
代理店やモール運営側が現地の慣行で文言を作ることがありますが、責任はブランド側にも及びます。使用してよい表現のリストを、こちらから提供するのが確実です。