海外の規制対応で、最初に行うべきなのに最も飛ばされがちなのがカテゴリ分類の確定です。ここを間違えると、その後の作業がすべて無駄になります。
分類が違えば、全部が違う
製品のカテゴリが変われば、次のすべてが変わります。
- 申請先の当局
- 手続きの種類(登録か届出か、許可か)
- 必要な書類
- 審査期間
- 費用
- 使える成分の範囲
- 表示してよい効能の範囲
- 表示すべき項目
つまり分類は、規制対応のすべての前提です。ここが確定していない状態で書類を集めるのは、行き先を決めずに荷造りするようなものです。
日本の区分は、そのまま輸出できない
日本には化粧品・医薬部外品・医薬品、一般食品・保健機能食品といった区分がありますが、これは日本固有の制度です。
| 日本の区分 | 海外での扱いの傾向 |
|---|---|
| 医薬部外品 | 対応する区分がない市場が多い。化粧品か医薬品のどちらかに振り分けられる |
| 薬用化粧品 | 同上。訴求を落として化粧品として出すか、重い手続きを取るかの判断 |
| 特定保健用食品 | 対応する制度がない市場が多い。訴求の見直しが必要 |
| 機能性表示食品 | 同上。市場ごとの機能性表示制度に合わせる必要がある |
| 健康食品(一般食品) | 一般食品か、サプリメント区分かで扱いが分かれる |
分類を決める要素
分類は、製品名や日本の区分ではなく、次の要素で決まります。
- 成分:含まれる成分によって区分が決まる場合がある
- 使用方法:塗る、飲む、洗い流す、粘膜に触れる
- 訴求する効果:何を訴えるかで区分が変わる。これが最も大きい
- 剤形:錠剤、カプセル、液体などの形状が影響する市場がある
- 使用部位:適用する体の部位
3番目の訴求が決定的です。同じ製品でも、言うことを変えれば区分が変わる。これは制約であると同時に、戦略の余地でもあります。
訴求を落とすか、手続きを取るか
実務上、最も重要な判断がこれです。
- 訴求を落とす:一般化粧品・一般食品として、短期間・低コストで参入できる。ただし製品の魅力が伝わりにくくなる
- 重い手続きを取る:機能を訴求できるが、時間とコストがかかり、追加の試験が必要になる場合がある
判断の材料は、その市場でその訴求がなくても売れるかです。訴求が購買理由の中心なら手続きを取るしかなく、そうでなければ落として早く出すほうが合理的です。
確定させる手順
- 製品の成分、使用方法、剤形、使用部位を整理する
- 日本で使っている訴求を洗い出す
- 対象市場の区分制度を確認する
- 訴求を維持した場合の区分と、落とした場合の区分を両方確認する
- それぞれの手続き・期間・コストを比較する
- 現地の登録代行者に、分類の見解を確認する(最終確認)
6番目は省略しないでください。分類は最終的に当局の判断であり、現地の実務経験がある相手の見解が最も信頼できます。