ベトナムは所得の伸びと若年人口の厚さから、日本ブランドにとって有望な市場です。制度上のハードルは東南アジアの中では中程度ですが、輸入者の実務能力への依存度が高い点に特徴があります。
化粧品 — 公示(届出)を経て販売
ベトナムの化粧品は、当局への公示(届出)を経て販売できる制度です。登録制の市場より短期間で進められます。
- 現地の輸入者・販売者が公示の主体になる
- 全成分の情報を届け出る
- 成分は、使用禁止・制限リストへの適合が前提
- 公示には有効期間があり、更新が必要
- ベトナム語表示が必要
食品 — 品目により手続きが分かれる
食品は、一般食品と機能性を訴求する食品で手続きが分かれます。後者は要件が重くなり、成分の裏づけや効果の根拠を求められます。
- 製品のカテゴリ分類を確定する
- 添加物・成分の適合性を確認する
- 栄養成分表示の要件を確認する
- 必要な証明書(自由販売証明、製造所証明、検査成績書)を揃える
- 輸入者名義で手続きを行う
輸入者の選定が、実質的に最大の論点
ベトナムでは、手続きの進み方が輸入者の経験値に強く左右されます。同じ製品でも、慣れた輸入者なら短期間で、不慣れな相手なら差し戻しを繰り返して長期化します。
確認すべきことは他市場と同様ですが、ベトナムでは特に次が重要です。
- 同カテゴリの公示・登録の実績数
- 当局とのやりとりの経験
- 書類の不備を事前に指摘できるか(丸投げを受けるだけの相手は危険)
- 公示の更新管理を行っているか
ベトナム語表示
表示はベトナム語で行う必要があります。ステッカー対応が一般的です。
- 製品名、用途
- 成分
- 内容量
- 製造者・輸入者の情報
- 製造日・使用期限
- 使用方法、注意事項
- ロット番号
訳語の正確性が問われるため、現地の輸入者に翻訳とレイアウトの確認を依頼するのが実務上は確実です。日本側で機械翻訳して作ったラベルは、用語が規制上の表現と合わないことがあります。
並行輸入と正規品の関係
ベトナムでは、日本製品の並行輸入が活発です。正規参入前にすでに市場に出回っていることが多く、価格の基準が形成されています。
正規品として入る際は、正規であることの価値をどう伝えるかが課題になります。保証、正しい使用方法の案内、品質の担保。価格で並行輸入品と競うのではなく、信頼で差をつける設計が要ります。