マレーシアは、東南アジアの中で参入の実務が比較的進めやすい市場です。制度が整備され、英語でのやりとりが成立し、ハラール認証のインフラも整っています。1市場目の候補としても検討に値します。
化粧品 — 届出制度
マレーシアの化粧品は届出制度が採られており、所定の手続きを経て販売できます。登録制の市場に比べてリードタイムが短いのが利点です。
- 現地の事業者(ホルダー)が届出の主体になる
- 成分は、使用禁止・制限リストへの適合が前提
- 製品情報ファイルの整備と保管が必要
- 届出には有効期間があり、更新が必要
ホルダーを誰にするか
マレーシアでは、届出を保有する事業者(ホルダー)の指定が重要な決定になります。ホルダーが代理店であれば、契約終了時に届出も失われます。
- 代理店をホルダーにする:早く始められるが、乗り換えが難しくなる
- 第三者の規制代行会社をホルダーにする:中立性が保たれ、代理店変更に対応しやすい
- 自社の現地法人をホルダーにする:最も自由度が高いが、法人が必要
規制代行会社をホルダーにする選択肢は、マレーシアを含む複数市場で有効です。代理店との関係が変わっても、届出を保持し続けられます。
食品とハラール
食品は品目により要件が異なります。またマレーシアはハラール認証のインフラが整っており、認証取得のプロセスが比較的明確です。
マレーシアで取得したハラール認証は、他の市場でも一定の評価を得やすい傾向があります。GCC市場を視野に入れているなら、マレーシアでの認証取得が横展開に効く可能性があります。
表示要件
マレー語または英語での表示が求められます。英語が使えることは、日本企業にとって実務上の負担軽減になります。
- 製品名
- 成分
- 内容量
- 製造者・輸入者の情報
- 製造日・使用期限
- 使用方法、注意事項
- ハラール認証を取得している場合はその表示
1市場目の候補としての評価
マレーシアを1市場目に選ぶ利点をまとめると次の通りです。
- 制度が整備されており、手続きの見通しが立てやすい
- 英語でのコミュニケーションが成立する
- ハラール認証のインフラがあり、GCC展開への足がかりになる
- 多民族市場で、複数の嗜好に対する反応を同時に観測できる
一方で市場規模は台湾やタイほど大きくありません。規模より学習効率を優先する場合の選択肢として有力です。