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つまずきの構造 プロジェクト管理漂流

プロジェクトが漂流する条件

進んでも止まってもいない状態。海外展開プロジェクトが漂流に入る条件と、そこから抜ける手順をまとめます。

No. 077/2026.07.30/4 min read

海外展開のプロジェクトには、失敗とは別の終わり方があります。漂流です。中止もされず、進みもせず、担当者だけが定期的に報告を続ける状態。これは失敗より始末が悪い。

漂流に入る4つの条件

  1. 終了条件がない:いつまでに何ができていれば次に進むかが決まっていない
  2. 成果が見えない期間が長い:登録待ち、書類待ちで数か月動きがない
  3. 判断者が不在:誰が決めるのかが曖昧で、決定が先送りされる
  4. 撤退基準がない:止める理由がないので、惰性で続く

4つが揃うと、プロジェクトは確実に漂流します。いずれも計画段階で防げるものばかりです。

「登録待ち」が最も危険な期間

製品登録の申請から承認までの数か月は、動きがなく、成果も出ません。この期間にプロジェクトが漂流に入るケースが最も多い。

  • 担当者が他業務に戻り、優先度が下がる
  • 社内の関心が薄れ、進捗を聞く人がいなくなる
  • 経営が別の課題に移り、予算が削られる
  • 再開しようとしたときに、文脈が失われている
空白期間を作らない対策は、登録待ちの期間に別の工程を進めることです。物流の設計、パッケージの準備、販促計画、他市場の書類準備。動きを止めないことが漂流を防ぎます。

判断者を明示する

漂流の原因として最も多いのが、誰が決めるのかが曖昧なことです。

判断事項誰が決めるべきか
どの市場に参入するか事業責任者・経営
処方変更に投資するか事業責任者+開発
どの代理店と組むか事業責任者
契約条件を受けるか事業責任者+法務
価格をいくらにするか事業責任者+経理
撤退するか経営

プロジェクト開始時に、この表を埋めておくだけで、判断の先送りが大幅に減ります。

漂流から抜ける方法

すでに漂流している場合、抜ける方法は限られています。

  1. 現在地を確定させる:何が終わっていて、何が残っているかを一覧化する
  2. 残作業を洗い出す:残っているタスクと、それぞれの所要時間を出す
  3. 期限を切る:いつまでに何をするかを決め、経営と合意する
  4. 撤退基準を設定する:その期限で達成できなければ止める、と決める
  5. 報告のリズムを作る:月次で進捗と課題を共有する

4番目が最も重要です。止める条件を決めることで、続ける条件も明確になります。

漂流を許さない設計

そもそも漂流させないための設計は、フェーズを切ることに尽きます。

参入準備・参入直前・参入後。それぞれに終了条件と期限を置き、その時点で判断する。フェーズの通過判定があれば、漂流は構造的に起きません。止まる場所を先に作ることが、進み続けるための条件です。

本記事は Tempura OS の実務知見をもとに構成しています。記載の進め方は一般的な例です。製品カテゴリや出荷形態によって、最適な手順は変わります。

プロジェクト管理漂流意思決定
海外展開の進め方を3つの資料にまとめました。

参入準備・参入直前・参入後。フェーズごとに、実務の流れと Tempura OS の担当範囲が分かります。

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