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体制・戦略 現地法人投資判断

現地法人をいつ作るか

最も投資が重く、最もコントロールが効く選択。設立を検討すべきタイミングと、その前に確認すべきことを挙げます。

No. 087/2026.08.22/4 min read

現地法人の設立は、海外展開で最も重い投資判断です。作れば解決する問題と、作っても解決しない問題を区別することが、判断の出発点になります。

現地法人で解決すること

  • 製品登録を自社名義で持てる:代理店を変えても登録が残る
  • 価格とチャネルをコントロールできる:代理店の方針に左右されない
  • 現地の情報が直接入る:市場の状況を一次情報で把握できる
  • 複数の販路を並行して使える:小売、EC、業務用を同時に展開できる
  • 現地での採用ができる:言語と商習慣を持つ人材を確保できる

1番目が最も大きい。登録名義の問題は、現地法人でしか根本的に解決しません。

現地法人でも解決しないこと

  • 規制対応の負担(自社でやることになるだけ)
  • 製品が売れるかどうか(法人の有無とは無関係)
  • 販路の構築(結局、小売や代理店との関係が必要)
  • 本社の意思決定の遅さ(むしろ距離が増えて悪化することもある)
最も多い誤り売れないから現地法人を作るという判断は、ほぼ確実に失敗します。売れる理由がないまま固定費を増やすだけです。

検討すべきタイミング

次の条件が揃ったときが、検討の入り口です。

  1. その市場で継続的な売上が立っている:固定費を吸収できる規模
  2. 代理店経由での限界が見えている:配荷が広がらない、価格が制御できない
  3. 複数チャネルを同時に使いたい:代理店1社では対応できない
  4. 登録名義を自社に移したい:代理店依存を解消したい
  5. その市場に長期投資する意思がある:数年単位の視野

1番目が前提条件です。売上がない状態での設立は、判断ではなく賭けになります。

設立前に確認すべきこと

確認事項内容
外資規制外資100%が可能か、現地資本の参加が必要か
ライセンス輸入・販売に必要な事業ライセンスの取得可否と期間
固定費賃料、人件費、会計・税務の費用。年間でいくらか
人材現地で採用できるか、駐在を置くか
撤退コスト清算にかかる費用と期間

撤退コストを事前に確認しておくべきです。設立より清算のほうが手間と時間がかかる市場があります。

段階的な選択肢

いきなり法人を作る前に、中間的な選択肢があります。

  • 駐在員事務所:営業活動はできないが、情報収集と関係構築ができる
  • フリーゾーン法人:市場によっては設立が簡易。用途に制約がある
  • 第三者を登録名義人にする:登録の問題だけを解決する
  • 現地人材の業務委託:法人を作らずに現地の実務を持つ

3番目は、登録名義の問題だけが動機なら十分な解になります。法人設立の目的が登録名義だけであれば、コストは大幅に下がります。

本記事は Tempura OS の実務知見をもとに構成しています。記載の進め方は一般的な例です。製品カテゴリや出荷形態によって、最適な手順は変わります。

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